INTRODUCTION
誰もが知る、誰も観たことがない原点がここに!
【ゾンビ映画】の始まりにして金字塔がジョージ・A・ロメロ監修により4K化!
その登場で、すべてが変わった    。当時、弱冠28歳だったジョージ・A・ロメロ監督の長編デビュー作にしてホラー映画の革命的存在、ゾンビ映画の祖となった『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(68)。本作の出現により定義された“ゾンビ像”は、世界各国で現在に到るまで、バージョンアップを経ながらも映画・コミック・アニメ・ゲームなどあらゆるエンターテインメントやアートに影響を及ぼし続けてきた。 その本作を、世界中の名作をレストアしリリースしている米クライテリオン・コレクション社が、逝去する前年である2016年にロメロ、そして共同脚本ジョン・A・ルッソらの監修により4Kデジタルレストア。サウンドトラックに関してもロメロらの監修で新たに修復。画も音も鮮明に、かつてない迫力でよみがえった『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 4Kリマスター版』として、ふたたびその異様さと《恐怖の根源》を以て、猛威を振るう。もっともシンプルかつ揺るぎない力を持ち、映画史における歴史的重要作品は、全人類必見。人間が人間を破滅させていく    常に社会風刺を込めてきたロメロならではのテーマは時を越え、我々に今、痛烈に襲いかかる。
STORY
父の墓参りにやってきたバーバラと兄のジョニーに、突然よみがえった死体が襲い掛かる。ジョニーは抵抗するも殺害され、バーバラは恐怖と悲しみに襲われながら近くの民家に逃げ込む。彼女に続けて飛び込んできたのは、黒人青年のベン。地下室には、若いカップルのトムとジュディ、クーパー夫妻と大きな傷を負った娘のカレンが隠れていた。外部との連絡も取れないまま、民家はゾンビの群れに取り囲まれていく。ベンはゾンビの侵入を食いとめながら脱出の方法を探るが、クーパー夫妻の夫ハリーは救助が来るまで地下室に隠れていることに強くこだわり、対立を深める。容赦なく押し寄せてくるゾンビの群れ。彼らは生き延びることができるのか……?
STAFF
ジョージ・A・ロメロ
原案・監督・共同脚本
1940年2月4日、米ニューヨーク生まれ。ピッツバーグのカーネギー・メロン大学を卒業後、この地で映像製作会社ラテント・イメージを友人たちと設立。テレビCMや企業用PR映像などを制作しながら、映画製作に乗り出し、本作で映画監督デビューを果たした。’78年にイタリアの鬼才ダリオ・アルジェントの出資により、代表作『ゾンビ』を放つ。これは本作と、後の『死霊のえじき』(’85)と並ぶ“デッド三部作”として知られており、後のゾンビ映画の礎となった。作家スティーブン・キングとは親交が深く、’82年には彼の脚本によるホラー・オムニバス『クリープショー』を監督。’93年には『ダーク・ハーフ』でキング小説の映画化に挑んだ。 大作での監督オファーも少なくなかったが、スタジオの言いなりになることを拒絶して衝突し、『ハムナプトラ』や『バイオハザード』などの後に人気シリーズとなる作品から降板することもあった。それでも2005年には、『ランド・オブ・ザ・デッド』で久しぶりに得意のゾンビ映画に挑み、ハリウッドのメジャースタジオ経由でヒットを放った。これをステップにして晩年には『ダアイリー・オブ・ザ・デッド』(’07)、『サバイバル・オブ・ザ・デッド』(’09)とゾンビ映画の力作を連発する。他の主な監督作は『悪魔の儀式』(72)、『アミューズメント・パーク』(’73)、『ザ・クレイジーズ/細菌兵器の恐怖』(’73)、『マーティン/呪われた吸血少年』(’77)、『ナイトライターズ』(’81)、『モンキー・シャイン』(’88)、『URAMI 怨み』(’00)など。『羊たちの沈黙』(’91)ではFBI捜査官役に扮し、ノンクレジットで出演している。2017年7月16日、カナダのトロントで肺がんにより、77年の生涯を終えた。
ジョン・A・ルッソ
共同脚本
1939年生まれ。ウェストバージニア大学を卒業して兵役を2年務めた後、旧知の仲だったロメロの映像製作会社ラテント・イメージに入る。やがて、人間の肉を食べる怪物たちに若者が遭遇するという草案をつくり、これをロメロが気に入ったことで本作が生み出された。“The Booby Hatch”(’76・日本未公開)では脚本を手がけるとともに監督業にも進出。’93年のTVムービー『ハートストッパー』や、『ゾンビのジョンおじさん』(’16)でも演出を務めた。脚本家としては他に、『ゾンビ・サーガ/死霊のいけにえ』(’90)を放ち、『バタリアン』(’85)では原案にクレジットされた。プロデューサーとしても活動しており、本作のリメイク『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(’90)や、『チルドレン・オブ・ザ・デッド』(’01)を放っている。
CAST
カール・ハードマン
製作/ハリー・クーパー役
1927年生まれ。ピッツバーグで映像製作会社を立ち上げ、本作の共演者マリリン・イーストマンとともにハードマン/イーストマン社を設立。ロメロと出会い、本作に出資すると同時にカール役で出演。本作の共同脚本家ジョン・A・ルッソの監督作“Santa Claws”(’96・日本未公開)で久々に映画出演を果たした。’07年、没。
ラッセル・ストライナー
製作/ジョニー役
1940年生まれ。ロメロやルッソとともにインダストリアル・フィルムズを立ち上げ、ピッツバーグで多くのCMを制作。本作で共演したジュディス・リドリーの結婚し、2児をもうけるが、その後離婚している。本作のリメイク『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(’90)ではプロデューサーを務めた。『バタリアン』(’85)の原案者のひとりでもある。
デュアン・ジョーンズ
ベン役
1937年生まれ。ピッツバーグ大学を卒業後、パリやニューヨークで演技を学び、舞台俳優の仕事をしていた。実家が撮影地のピッツバーグにあったこともあり、帰省を兼ねて撮影に参加したという。ニューヨークでは主に舞台俳優として活動。他の映画の出演作は『ガンジャ&ヘス』(’73)、『フライトハウス/ゾンビの生贄』(’90)など。’88年、没。
ジュディス・オーディア
バーバラ役
1945年生まれ。ピッツバーグで就職したが、女優を目指してハリウッドへ。本作のオーディションでバーバラ役に抜擢され、映画デビューを飾った。以後は主に舞台女優として活動。TVムービー『燃える世界の男』(’78)に出演した後、主婦業に専念していたが、21世紀に入ってから女優業に復帰。『DELETE デリート』(’03)などに出演している。
マリリン・イーストマン
ヘレン・クーパー役
1933年生まれ。ピッツバーグのラジオ番組へレギュラー出演した後、ビジネス・パートナーのカール・ハードマンとともに同地で起業。本作ではハードマンとともに夫婦役を演じる一方で、昆虫をむさぼる女性のゾンビにも扮し、脚本やメイクアップにも協力したという。2021年に87歳で世を去った。
カイラ・ショーン
カレン・クーパー役
1957年生まれ。実父のカール・ハードマンとともに親子役を演じた。アートに関心を抱いて成長し、成人後は美術の講師をしながら、シルバーやブロンズのハンドメイドのジュエリーを制作。グリーティングカードのデザインでも活躍している。2011年には“The Greenman”(日本未公開)で久しぶりに映画出演を果たした。
キース・ウェイン
トム役
1945年生まれ。マンスフィールド州立大学を卒業後、カロライナでミュージシャンとして活動し、レコードもリリースしていた。映画出演は本作のみで、その後はThe Bill Roberts Showや、Keith Wayne and the Unyted Brass Worksなどのバンドでシンガーとして活動。80年代には整体師に転身した。’95年、没。
ジュディス・リドリー
ジュディ役
1946年生まれ。美術学校を卒業後、本作の共演者カール・ハードマンとマリリン・イーストマンの会社に就職し、受付嬢に。そこで見出されジュディ役を務めることになった。ロメロの次作“There’s Always Vanilla”(’70・日本未公開)にも出演。結婚を機に女優業を退いた。その後、フードコーディネーターとして活躍していた時期もある。