傷つくことを恐れず、正面からNOと言う。
科学を信じて、新しい時代を生きよう。
それがグレタのめざす道。
2018年8月。15歳の少女グレタ・トゥーンベリはスウェーデン・ストックホルムにある国会議事堂前で学校ストライキを始めた。気候変動対策を呼びかけるため、一人で座り込み、自作の看板を掲げてリーフレットを配りながら通行人の質問に答える。毎週金曜日にストライキをすることから「Fridays For Future(未来のための金曜日)」と名付けられた運動は次第に注目を集め、世界中の若者たちがグレタの考えに賛同していった。たった一人で始めたストライキは、数か月のうちに国内外へ広がるムーブメントになった。
本作は、グレタが気候行動サミットで世界に訴えたスピーチの1年以上前から彼女に密着。犬や馬と戯れるくつろいだ姿や、アスペルガー症候群を持つグレタが重圧に悩み、葛藤する姿を映し出す。気候問題に関する知識と覚悟を持ち、国連総長アントニオ・グテーレスやフランスのマクロン大統領、ローマ教皇など世界のリーダーらと議論を重ねていく様子を、スウェーデン人監督ネイサン・グロスマンは最も身近なところで捉える。
強いメッセージと行動力で、環境活動家のリーダーとして若者から熱烈な支持を得る一方で、反感や偏見を持たれることも少なくない。本作は、彼女の考えを最も正確に色濃く反映し、これまで誰も知らなかったグレタの素顔を知ることが出来る貴重な映像の記録。2020年のヴェネチア国際映画祭やトロント国際映画祭などで高く評価され、コロナ禍の世界20か国以上で公開された。グレタは何のために闘うのか。私たちはパンデミック後の世界でその思いにどのように向き合い、生きるべきか。爽やかな余韻の中に深く思いを巡らせること必至のドキュメンタリー。
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