現代に目覚めたヒトラーがモノマネ芸人としてブレイク!やがて再び、民衆の心を捉え始める―。
ヒトラーの姿をした男が突如街に現れたら?「不謹慎なコスプレ男?」顔が似ていれば、「モノマネ芸人?」。リストラされたテレビマンに発掘され、復帰の足がかりにテレビ出演させられた男は、長い沈黙の後、とんでもない演説を繰り出し、視聴者のドギモを抜く。自信に満ちた演説は、かつてのヒトラーを模した完成度の高い芸と認識され、過激な毒演は、ユーモラスで真理をついていると話題になり、大衆の心を掴み始める。しかし、皆気づいていなかった。彼がタイムスリップしてきた〈ホンモノ〉で、70年前と全く変わっていないことを。そして、天才扇動者(ルビ:アジテーター)である彼にとって、現代のネット社会は願ってもない環境であることを―。
主役を演じるのは、リアリティを追求するために選ばれた無名の実力派舞台俳優オリヴァー・マスッチ。ヒトラーに扮した彼が街に飛び込み、実在の政治家や有名人、果てはネオナチと顔を合わせるというアドリブシーンを盛り込んだセンセーショナルな展開と、原作とは違う予測不能な結末は、一大ブームを巻き起こしました。第二次世界大戦から70年が経ち、全てが変わった現代社会で、あの頃と変わらぬ思想とともに生きる男が繰り出すギャップに笑い、かつて熱狂的に支持された、誰よりも愛国心に富んだまっすぐな情熱に惹かれ、正気と狂気の一線を見失う現代の民衆の危険さ―。そう、スクリーンの前で笑っているあなたも。モラルと背徳の狭間ギリギリの危険なコメディ、あなたの足元がグラつく。
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