くじらびと

くじらと生きる
命を賭けてモリ一本で巨大なマッコウクジラに挑む、インドネシア・ラマレラ村の人々。
壮絶な狩りの背景には、400年に渡り命を繋いできた鯨と人間の魂の物語があった。

インドネシア・ラマレラ村。⼈⼝1500⼈、太陽の⼟地を意味するこの村では、巨⼤クジラに挑むラマファ(打ち)は誇りであり尊敬を集める存在だ。⼿造りの⾈と銛1本で、マッコウクジラに挑んでいく。クジラも負けじと⾈に体当たりする。そんな⽣と死が拮抗する漁で得た獲物が、村⼈の命を⽀え、彼らは互いの和をもっとも⼤切にしながら⽣活している。
⾃然とともに⽣き、命に感謝し、祈りを捧げ、実に400年もの間変わらぬ伝統の捕鯨を続けながら暮らす“くじらびと”の姿。厳しくも美しい、命のやりとりを通して、⼈間のみならず地球上にともに⽣きるものたちの眩しいほどに輝く⽣命⼒に満ちたドキュメンタリー映画が誕⽣した。
⾃然とともに⽣きるラマレラの⼈々の⽇常を繊細に、時に臨場感あふれる映像で捉えたのは、写真家であり映画監督の⽯川梵。2017年ロングランヒットした『世界でいちばん美しい村』でネパール⼤震災後懸命に⽣きる⼈々を捉えた彼は、同時にライフワークとして30年間ラマレラ村の⼈々を追い続けてきた。彼らの⽣き⽅への深い理解と互いの信頼関係を30年という⻑い時間をかけて築いてきた⽯川監督は、2017年から2019年までの3年間に回された映像を本作「くじらびと」として結実させた。
そして今回世界で初めてラマレラでの鯨漁の空撮と⽔中撮影に成功︕ドローンやGoProで撮られた映像から、海中のクジラの様⼦や⾈との対⽐を私たちは初めて⽬にする。クジラに体当たりされる⾈、緊迫する乗組員たち。その臨場感はスクリーンを超えて⾒るものに迫って来る。

『くじらびと』 公式サイト