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予告編

STORY
名優ジェラール・ドパルデュ―が好演!
1929年から1972年まで書かれ、世界的に人気を博したジョルジュ・シムノンのミステリー小説を映画化。主人公メグレを演じるのはフランスきっての名優ジェラール・ドパルデュー。これまでチャールズ・ロートン、ジャン・ギャバン、マイケル・ガンボン、ローワン・アトキンソンなど名優たちが演じてきた役柄だが、身長180センチ、体重100キロという原作に最も忠実で大柄な俳優ドパルデューこそが最高のはまり役。事件から一人の女性の生涯を解き明かしていく様をパトリス・ルコント監督ならではの情感を込めて描き、深い余韻を残す。

原作「メグレと若い女の死」は隠れた傑作とファンの間でも名高く、今回再出版が決定した。日本ではアニメ「名探偵コナン」に“目暮十三”として登場するなど後世の作品にも多大な影響を残し、パイプとソフト帽で親しまれているメグレ警視の名推理が始まる。
GÉRARD DEPARDIEU
ジェラール・ドパルデュー(メグレ役)
1948 年生まれ。フランス・シャトールー出身。1967年、短編に出演した後、1969 年にオープンしたパリの小さな劇場「カフェ・ド・ラ・ガール」で、パトリック・ドヴェールやミウ=ミウらと共に俳優としてのキャリアを本格的に始め、ミシェル・オーディアール監督『Le Cri du cormoran,le soir au-dessus des jonques』(71)で映画界に足を踏み入れる。その後、ベルトラン・ブリエ監督『バルスーズ』(74)で注目され、次々と話題作に出演。『終電車』(80/フランソワ・トリュフォー監督)で第6回セザール賞男優賞、『ソフィー・マルソーの刑事物語』(85/モーリス・ピアラ監督)で第42 回ヴェネチア国際映画祭男優賞、『シラノ・ド・ベルジュラック』(90/ジャン=ポール・ラプノー監督)で第43 回カンヌ国際映画祭男優賞と第16 回セザール賞主演男優賞、『グリーン・カード』(90/ピーター・ウィアー監督)で第48 回ゴールデン・グローブ賞男優賞を受賞した。フランスを代表する俳優。
【その他の主な出演作】

『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(76)
『隣の女』(81)
『カミーユ・クローデル』(88)
『美しすぎて』(89)
『さよならモンペール』(91)
『1492・コロンブス』(92)
『ゴダールの決別』(93)
『俺たちは天使だ』(95)
『仮面の男』(98)
『宮廷料理人ヴァテール』(00)
『メルシィ!人生』(01)
『ルビー&カンタン』(03)
『あるいは裏切りという名の犬』(04)
『刑事ベラミー』(09)
『しあわせの雨傘』(10)
『ファヒム パリが見た奇跡』(19)
『幻滅』(21)など
PATRICE LECONTE
パトリス・ルコント(監督・脚本)
1947年、フランス・パリに生まれる。IDHEC(フランスの映画学校)で学び、5年間漫画家、イラストレーターとしての活動を経て映画監督に。『タンデム』(87)で批評家らから注目され、日本で初めて劇場公開された『髪結いの亭主』(90)が大ヒット。その前作である『仕立て屋の恋』(89)もその後に日本で公開。以後、ミニシアターブームを牽引する存在となった。『リディキュール』(96)では第69 回アカデミー賞最優秀外国映画賞にノミネート。新作が公開する度に注目されるフランス映画界の巨匠。
【主な作品】

『タンデム』(87)
『仕立て屋の恋』(89)
『髪結いの亭主』(90)
『タンゴ』(93)
『イヴォンヌの香り』(94)
『リディキュール』(96)
『パトリス・ルコントの大喝采』(96)
『ハーフ・ア・チャンス』(98)
『橋の上の娘』(99)
『サン・ピエールの生命(いのち)』(00)
『フェリックスとローラ』(01)
『歓楽通り』(02)
『列車に乗った男』(02)
『ぼくの大切なともだち』(06)
『スーサイド・ショップ』(12)
『暮れ逢い』(13)など
COMMENT
うつみ宮土理(タレント)
愛川は「人間の心のやり取り」「情感」を描いている「メグレシリーズ」が大好きだった。
中折れハットを被り、薄い色のサングラス、口髭をつけると、愛川は知的で温かいメグレ警視に変身した。
愛川も観たかったでしょうね。
大倉崇裕(作家)
画の中心にはいつもメグレがいる。殺された若い女は誰なのか。彼女を殺したのは誰なのか。
執念の捜査の中に垣間見える、悲哀、愛情、怒り。これぞ、メグレだ。
桑原隆行(福岡大学名誉教授)
簡潔と余情、台詞の妙、小道具(パイプ)と遊び心が心憎い演出。
ルコント健在なり。孤独の色に沈んだパリ、セーヌ河岸を歩くメグレとベティ、メグレ=ドパルデューの憂愁漂う後ろ姿、どれもが心に沁みます。「気に入った?」「ああ」「よかった」時にはメグレのように映画館に!
井戸本幹也(ミステリマガジン編集部)
メグレは事件の謎だけではなく、人の心も解き明かす。
ミステリ界の巨匠の作品を、映画界の巨匠が新しく生まれ変わらせた傑作。