前作『マリウポリの20日間』で戦争によって日常が奪われていく現実を伝えたミスティスラフ・チェルノフ監督。
アカデミー受賞後、監督は再びウクライナへ戻り、戦争が現在進行形で続く戦地最前線へと向かった──。
アカデミー受賞後、監督は再びウクライナへ戻り、戦争が現在進行形で続く戦地最前線へと向かった──。
2023年、ウクライナ軍第3強襲旅団の小隊に同行し、ロシアに占領されたドネツク州・アンドリーウカ村の奪還作戦の様子を記録した本作は、ニュース映像や文字だけでは決して伝わらない戦場の現実を突きつける。映像のほとんどは、兵士たちのヘルメットカメラやドローンによって撮影されたもので、観客は彼らとともに、アンドリーウカ村までのわずか2000メートルを進むことになる。実際の眼の前に広がる戦闘映像は、かつてない臨場感に満ちている。冗談を交わし、煙草を吸い、家族や未来について語る若い兵士たち。そして、その直後に訪れる死。チェルノフ監督は、戦争が始まる前に、私たちと変わらない日常を生きていたひとりの人間として彼らを見つめ続ける。激しい銃撃戦、ドローンによる襲撃、絶え間なく降り注ぐ砲弾、そして荒廃した大地に横たわる亡骸――。戦争とは何か。そこでは何を失い、何のために戦うのか。その答えが、この映画には刻まれている。
